PRESS PEOPLE 

新聞社の中の人のブログです。報道の仕事をして30年。誤解されていることの多い業界のリアルを更新していきます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

デキる記者は「周年」を把握している

戦後75年の節目の夏だった。新型コロナウイルス感染症の影響で、広島と長崎の原爆忌ともども、慰霊の各種式典は軒並み例年より縮小して行われた。新聞やテレビなどメディアはこぞってコロナ禍の「特別の夏」を工夫しながら報じた。 新聞社は、こうしたメモ…

STAY HOMEで記者修業

新型コロナウイルス感染症は、この春に入社した新人記者たちの出ばなをくじいた。今春採用の新人記者たちは例年通りの研修を受けられなかったのだ。 通常、大手新聞社では新入社員を本社などで短期間研修してから地方の支局に配属する。4月初めに東京や大阪…

地方紙は有事に強い

新型コロナウイルス感染症に関する報道をめぐっては、それぞれの地域における生活情報の発信の大切さを改めて感じた。こんなときだからこそ、新聞の読者は身近なニュースを欲している。「給付金を一刻も早く早くもらいたい」「どうすれば休業補償をしてもら…

コロナ後の「働き方改革」

新型コロナウイルスの感染がこれほどまで拡大し、世界中を恐怖に陥れていなければ、思い出すこともなかった。2009年5月初め、海外取材を終えて帰国した直後、2週間の在宅勤務を命じられた。いま盛んに呼びかけられている「テレワーク」である。 その1…

トイレットペーパー狂騒曲

「トイレットペーパー、買いだめしておいた方がいいですよ。自分は昨日、スーパーで8セットをゲットしましたけど」 一瞬、同僚の言葉に耳を疑った。まさか新聞記者が信憑性のないデマに振り回されるとは…。 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本のあち…

新聞社の働き方改革

「事業承継」という言葉がある。企業の経営を後継者に引き継ぐことを意味する。特に中堅・中小企業にとっては、オーナー社長の手腕や個性が会社の強みや存立基盤になっていることが多く、後継者を誰にして事業を引き継ぐのかは重要な経営課題なのだ。ただ、…

紙にもいいところはある

先日、電車に乗っていたときのこと。若いカップルが近くのシートに座っていた。これからどこか観光に行くのだろう。目的地を確認するためか、男性のほうがおもむろに地図を大きく広げた。すると女性が「おっさんみたい!」と吹き出した。「おっさん」という…